『暴力の解剖学』エイドリアン・レイン

第1章 本能

 

クン族

南アフリカ カラハリ砂漠

共同で狩り 利他的 子供に多大な投資 徐々に乳離れ 出生率低い 配偶者の慎重な選択

 

マンドルク族

アマゾン盆地 タパジョース川 トロンベタス川

農耕民 女性が担当 男は政治、戦争、ゴシップ、けんか、宗教儀式 

男は集まって寝る 女性を軽蔑

乳離れした幼児は放任

かつての首狩族

サイコパスが有利(良心の欠如、愛想の良さ、言葉の巧みさ、節操のなさ、長期的人間関係の欠如)

 

ガインジ族

ニューギニア高地

月経期女性を危険視

 

 

ヤノマミ族

ブラジル北部 ベネズエラ南部 熱帯雨林

マンドルク族に類似

男性の死因30%が暴力

25歳以上男性の44%が殺人経験あり 性的嫉妬

 

 

アヨレオ族

南米

嬰児殺しをする母親の年齢

20歳未満が最多 殺してもその後も生殖能力が高いから

カナダ人調査も同じ

 

 

第2章 悪の種子

 

ジェフリー・ランドリガン

殺し屋遺伝子はあるのか? 養子研究

1962 生後8ヶ月で母に置き去りにされる

オクラホマ州で養子に 地質学者で健全な家庭

1982 友人から名付け親の依頼を受け、刺殺する

1989 刑務所を脱走しバーガーキングで会話した男を殺す

死刑囚として過ごしていると実の父親と偶然出会う 初めて会ったのに殺人歴、脱走歴などにおいても似ていた 祖父も

 

 

XYY染色体

1965 スコットランド人 特別セキュリティー病院収容者の4%がXYYを持つと報告 実際は統計的有意差なし

重度のニキビ カインのしるし

とはいえ非行しやすさはあり

突然変異であって親から子へ遺伝するわけではない

∴犯罪の遺伝はXYYについて否定

 

 

MAOA遺伝子

1978 女系の男性親族が犯罪的であると相談を受ける X染色体上のMAOA遺伝子に欠陥あり

ドーパミン、ノルエピネフリンセロトニンなどの代謝酵素

∴たったひとつの犯罪遺伝子などない。このケースは極めて稀

 

ジェームズ・フィリアギ

会計士

妻を射殺

セロトニンレベル低くドーパミンレベル高い

 

セロトニントランスポーター遺伝子

S型(短い) 16% セロトニンレベル低い 情動刺激に過剰に反応

L型(長い)

 

ドーパミントランスポーターDAT1遺伝子

性的パートナー数と相関

 

 

第3章 殺人にはやる心

 

ランディ・クラフト

IQ129 ITコンサルタント 幸福な少年時代 カリフォルニア

カナダ死刑制度反対団体のウェブページ参照

約10年で64回の殺人 フリーウェイキラー

青少年か成人間もない男性をレイプ殺人

1回の殺人で捕まる人のような前頭前皮質の血流低下がない

 

第6章 ナチュラル・ボーン・キラーズ

 

カインのしるし

薬指が長い 胎児のテストステロンレベルが高い

男性は身体的魅力と相関

先制攻撃をする 攻撃性が高い

妊婦の喫煙は胎児のテストステロンレベルを上昇

 

妊娠中の喫煙

本数と攻撃性に相関

そもそもタバコを吸うような母親は他にも問題行動が多いが統計的コントロールにより

 

ニコチン

胎盤

低酸素

頭囲小さい

眼窩前頭回 中前東回 薄い 暴力と関係

 

アルコール

脳梁

特に脳が急速に発達する妊娠後期

週に1杯でも影響するときは影響する

 

 

暴力の解剖学: 神経犯罪学への招待

暴力の解剖学: 神経犯罪学への招待

 

 



 

アメリカ人がよく書く本の一つ、という印象。文献は多いけど論文ほどの科学的根拠に乏しいし(都合いいデータだけ使用)、読み物として面白くさせようとするのか冗長。まあ、面白いけど。アメリカ人はこういう本が好きなのか?