続いてイタリア=ルネサンスに続いてヨーロッパ諸国へ波及したルネサンスの美術について。各その地域を指してドイツ=ルネサンスなどと言われる。
世界の舞台は地中海から大西洋へ移り、ネーデルラント(低地の国の意。現在のベルギー、オランダ、ルクセンブルク)は毛織物工業で発達した(古くから毛織物を生産していたが、11世紀以降イングランドの羊毛を輸入し、セーターに加工し、輸出した。その量と質で他を圧倒した。利益は商人が手にし、職人の暮らしは貧しかった。毛織物は、産業革命で綿織物が作られるまでは寒冷なヨーロッパにおける基本の衣類だった。この羊毛貿易をめぐったことが、イギリスとフランスの領土・利益争いである百年戦争の一因とされる)。
そんなネーデルラントの画家。
●ファン=アイク兄弟
フランドル派。フランドル地方とは、南ネーデルラント。現在のベルギー、北フランス。フランダース。それまでの主流だったテンペラに対し油彩を用い、乾燥時間がかかるため画面上で混ぜ合わせる手法で半透明で艶のある絵の具を重ねた。微妙な陰影を作り、三次元を再現した。精緻な描写。
「アルノルフィーニ夫婦の肖像」
15世紀 板絵 油彩
イギリス ロンドン ナショナル=ギャラリー
82cmx60cmと小さい。寓意性、幾何学的直交遠近法、鏡の反転した情景(凸面鏡には作者自身も描かれる)など、極めて複雑で独創的な絵である。世俗的な財産と富裕さも描く。
参考 ファン=ダイクは17世紀のフランドルのイギリス宮廷画家。
●ヒエロニムス・ボス
受験世界史では出ない。宗教改革で偶像破壊の煽りを受けてほとんどの作品が破壊された。
「快楽の園」
現代日本人はジグソーパズルで親しんでますな。
農民の暮らしを描き、パトロン不在だったとして異質。ボスの影響を受けた。同名の息子も似たような絵を描く。
「農民の踊り」
16世紀 板絵 油彩
オーストリア ウィーン美術史美術館
「農民の結婚式」
16世紀 板絵 油彩
オーストリア ウィーン美術史美術館
「雪の中の狩人」
16世紀 油彩
オーストリア ウィーン美術史美術館
雪深い地域では人々は外に出られず家の中で聖書を読み頭が良くなる。
「ネーデルラントの諺」
16世紀 パネル 油彩
ドイツ ベルリン 絵画館
100以上のことわざが描かれている。
ブリューゲルの絵画は、世界は罪深く、邪悪で、愚かしいものであるという当時の彼の世界観を反映している。欺瞞や自己欺瞞、悪意、弱さに満ちた世界である。…Wikipediaより
「子供の遊戯」
16世紀 パネル 油彩
オーストリア ウィーン 美術史美術館
ドイツの画家
14〜18人兄弟の第三子。父は扉村出身の金細工職人。
「四人の使徒」
16世紀 板 油彩
ドイツ ミュンヘン アルテ・ピナコテーク(ギリシア語で絵画館)
宗教改革の時期に制作された。注文主はおらず、自分で制作し、故郷ニュルンベルクに寄贈し、返礼をもらった。マルコは本来使徒ではない。当時の教養人で有名だった四つの気質(多血質、粘液質、胆汁質、憂鬱質)を表している。自分の信仰心や教養を示す絵でもあった。
「黙示録の四騎士」
四騎士はペスト、飢餓、戦争、死への恐怖を表現している。デューラーってこういうの好きなんですね。
自画像で有名。
「野うさぎ」
デューラーといえばうさぎだが、受験世界史では触れられない。
●ホルバイン
スペインの画家
●エル=グレコ
西に耳なし、東に目なし