スイスという国

 

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世界史はやっと中世の終わりが見えてきた。

ルネサンスまでが一つの目標だった。

美術のことが知りたかったのもあるから。

そして宗教改革

カルヴァン派による現代までの影響は恐ろしいほど大きい…。(私見だが、近代がカルヴァン派というキリスト教的後ろ盾を求め、合致しただけじゃないかとも思った。それは、新興の商工業者、資本主義的世界観が、私財貯蓄の許可を認められたということに過ぎないが。)

ところで、世界史を履修したことのない私は、中世の終わりの宗教改革と言われたら、宗教からの脱却なのかなと思っていた。逆で、カトリックの腐敗に対して、聖書も読めることになったことから、もっと純粋に信仰したい人々の登場が宗教改革なのだった。

次の山場は神は死んだニーチェの登場だろうか。すぐそこな気がするが…。

 

カルヴァンは、フランスで生まれたが迫害され、スイス、ジュネーヴで大学を開いた。スイスという国はいつできたのか…通史では追いきれていなかったのでスイスについて立ち止まることにした。

 

 

 

 

ヴェルダン条約、メルセン条約でフランス、ドイツ、イタリアの原型ができるのが843、870年

 

②1291年8月1日ヴィルヘルム・テル伝説によりスイス連邦建国記念日とされる

スイス中央部 シュヴィーツ、ウーリ、ウンターヴァルデンが同盟 その盟約書が1291年8月の初めとされる

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なぜか?

スイス地方の一領主ハプスブルク家が勢力拡大していたところ、自治権を放棄しなかった上記三州が相互の防衛のため盟約を結んだのだった。

この自由独立の物語として世界に広めたのは後に作られた戯曲『ヴィルヘルム・テル』(シラー作1804年)だった。

ハプスブルク家から派遣された悪代官が住民を迫害し、竿の先にかけた帽子にお辞儀させていた。お辞儀をしなかったテルを責め、テルの子供の頭の上のリンゴを射ることを命じ、見事射落とした。しかしテルは捕らえられた。テルは逃れ、代官を射殺し、三州は自由を手に入れた。

 

なお、スイスという国の独立が国際的に認められたのは1648年ウェストファリア条約による。 

 

ウェストファリア条約とは…

ルターから始まった宗教改革の約100年後、1618ドイツ内での新旧派の対立をきっかけにヨーロッパ全土に宗教戦争が起こり、三十年戦争と呼ばれる。その帰結として、近代国際会議の始まり、現在の主権国家体制の始まりとして重要なウェストファリア条約1648が結ばれる。神聖ローマ帝国の解体、スイス、オランダの独立、領邦君主の独立主権獲得。

 

ではスイスという地名の由来は?

 

三州の中で中心的役割を担ったシュヴィーツ州に由来する。シュヴィーツは酪農場に由来すると言われる。

 

三州の同盟はその後八州に増えるが、他国や州同士の軋轢あり。傭兵がヨーロッパ全土で活躍する。

 

スイス傭兵について…

スイスは山が多く、山間部の農村は貧しい。特に15〜18世紀には傭兵として雇われ外国人となり他国の軍隊に多くの兵士が所属した(ハイジの祖父も若い頃傭兵という設定である)。山村で育った屈強な若者にとって見知らぬ異国で暮らすことは大きな魅力でもあった。現在は観光業が発達し、法律でも傭兵家業は禁止されているが、ヴァチカン市国のスイス衛兵だけは許可されている。

まあ、そんな自治的、中央集権的権力の無いスイスという地域で宗教改革が盛んになるのは理解できますね。

 

 

 

 

 

ではそんなスイスの観光について。

 

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湖と山。

平地どこ!?

スイス直行便は成田ーチューリヒ関空チューリヒ。片道12時間。

ヨーロッパからのアクセス時は、EU加盟していないがシェンゲン協定に加盟しているため検査不要らしい。

国際列車…パリ-ジュネーヴ3時間、フランクフルト-バーゼルが時間

ドライブ…パリ-ジュネーブ3時間、フランクフルト-チューリヒ4時間、ミラノ-チューリヒ3時間半

国内移動は鉄道が発達。安全、正確、清潔。地形も楽しめる。観光用の登山鉄道もあり。スイス国内で一日かかるような移動はほとんどない。

他、バス、湖船、レンタカー、市電。

 

基本情報

国旗

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ハプスブルク家との独立戦争の時に使用した赤色の旗に、白十字を加えた。赤十字のもとにもなったデザイン。

面積 4万km2 九州よりやや小さい

人口 800万人

首都 ベルン (!?)

政治 連邦共和制 26州で構成 永世中立国

宗教 カトリック35% プロテスタント23%
言語 公用語はドイツ語、フランス語、イタリア語、ロマンシュ語の中から各州で公用語を指定している。ドイツ語が多め。英語は全土でよく通じる。

通貨 スイスフラン(CHF) CHF1=113円

気温 チューリヒ冬-3℃ 夏13℃ 降水量は東京と同程度

時差 8時間

プラグ 変圧器必要 2本足、Cタイプ

チップ CHF2〜3 必須ではない

水道水 飲める 街中に多い噴水も飲める

VAT 7.7%
飲酒 蒸留酒18歳 醸造酒16歳

喫煙 年齢制限ない 公共屋内禁止

度量衡 m、g、L

 

メジャーな観光方法

●ハイキング

●街歩き

第二次世界大戦で中立を守ったため中世からの街並みが残る。石畳、壁画。

●観光列車、登山鉄道

世界遺産

ザンクト・ガレン修道院

バロック様式

ヨハネ修道院

ベネディクト派の修道院(本家はイタリア モンテ=カシノのベネディクト修道会。「祈り、働け」の修行的生活)

8-9世紀フレスコ画が残る

ベルン旧市街

リンツォーナ:3つの古城と街を囲む城壁

ラ・ショー・ドゥ・フォンと・ロックル、時計製造業の都市計画

ル・コルビュジエの出身地。コルビュジエの建築も点在している。

アルプス山脈周辺の先史時代の杭上住居群

スイスアルプス ユングフラウ、アレッチ、ビーチホルン地域

ル・コルビュジエの建築作品

●美術館・博物館

王や豪族がいなかったのか、貧しい土地だったからか、いわゆるルネサンス的な絵画、彫刻、音楽には乏しい様子。パウル・クレーはいる。

スイス交通博物館 ヨーロッパ最大級

国際時計博物館

スイス国立博物館

オリンピック博物館 IOC本部はローザンヌにある

バレンベルク野外博物館

自然史博物館 ヨーロッパ最大級

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パウル・クレー・センター

生涯作品1万点のうち4000点をコレクションしている。子供美術館やイベントも盛んで、コンサートホールもある。クレーの父はドイツの音楽教師、母は声楽家。クレー自身はバイオリンを嗜み、妻もピアニストだった。バウハウスに教師として招待され10年教えるのヒトラー政権となりスイスに亡命。ベルンで経済的困窮に陥り、晩年は不遇。

チューリヒ美術館

●料理

スイス料理というものはないが、近隣の国の影響を受けて発展している。

チーズ料理

干し肉

大麦スープ

淡水魚

ソーセージ

シチュー

●おみやげ

ミルクチョコレート

チーズ

時計 ロレックス オメガ

オルゴール

アーミーナイフ Victorinox

木工製品 北海道の木彫りクマの原型はスイスの木彫り人形

ワイン

 

個人的興味

●ハイジ

ヨハンナ・シュピリ著 1880

ハイジの舞台はスイス東端マイエンフェルト。マイエンフェルトにはモデルとなった集落やハイジの道などハイキングコースがある。

シュピリ自身はチューリヒの医者の子供で、良家の子女として教育を受けた。しかし弁護士と結婚後、州議会議員の妻として家事も社交も好きではなくうつ病などを患った。一人息子の結核発症を機に療養し、マイエンフェルトのラガッツ温泉に滞在した経験からハイジの舞台になる。

●ウィリアムテル

ハンニバル

ローマと戦ったカルタゴの英雄ハンニバルは、イベリア半島からぐるっと回って象に乗って冬にアルプス越えをしてローマ入りしたと言われるが、スイスを通った説は薄いらしい。

カルタゴの将軍ハンニバル・バルカが象と越えた峠はどこか Hannibal-Elephants-Cols

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ジュネーヴ

カルヴァン

フランス出身で宗教改革の波に乗って宗教的真理を追求するが、迫害されジュネーヴへ逃げ、ジュネーヴ大学創立(神学、法律)カルヴァン派の天職に励んだ結果の私財貯蓄の考えは商工業者に受け入れられ、資本主義の発展、アメリカ独立につながる。

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世界ランキング32位

現在は惑星科学、遺伝学に強い。

そんなカルヴァンを発端に、ジュネーブコスモポリタンな都市となり、国際的機関が集まる。金正男はベルンのインターナショナルスクールの後、ジュネーブ大学で学んだらしい。

国際赤十字赤新月連盟本部 1919年パリにできるが、戦争を機に中立国スイスのジュネーブ

国連ヨーロッパ本部

WHO本部

 

●ルソー

ルソーもジュネーブ。1712時計職人の子としてジュネーブに生まれる。父親失踪にともなに伴い牧師へ預けられる。ジュネーブにはルソーゆかりの地が多い。

 

軍隊

ローザンヌ

フッガー家

フロイト