七五三と道教

娘は今年七五三をします。

私は今世界史で中国史をやっています。中国史で繰り返し出てくる道教の記載に、七五三がありましたので、関連を記したいと思います。

 

道教の始まりは、道家。鉄製農具にて農業革命が起き、食糧生産が向上したため、読書階級(食糧生産に従事しなくていい人達)が生まれました。諸子百家の時代です。春秋戦国時代でもあります。そもそも人口過剰になったから戦国時代になったのか。時代としては夏殷周春秋戦国の周(東周)時代にあたります。

道家無為自然を謳い、老子荘子が唱えたことから老荘思想を源流とします。当時、時代は儒家、法家の国家が強くなっていくため、その反対に位置して礼や道徳などの一切の人為的制約や富国強兵策に反対したというので、カウンターカルチャーとでもいうのでしょうか。オノヨーコは道教が好きなようなので、まさに。心の自由、自然への調和を主張し、後に陰陽五行説と結合し道教を生んだとのこと。

I'm only sleeping - The Beatles (LYRICS/LETRA) [Original] - YouTube

ただ眠りたいんだ、俺から時間を奪うな、邪魔してくれるな、マリファナ(道教で言えば酒)にふける。

時代は下って後漢末。また時代は荒れます。民間信仰として信じられ、道教につながっていく太平道(開祖 張角)が現れます。お札、霊水を飲めば病が治るという現世利益が強く、貧困と悪政に苦しんだ農民の心を捉えました。

同時期、違う場所で五斗米道(開祖 張陵)という五斗(9Lまたは1Lとも)米を収めれば病が治るという新興宗教が起こりました。

これらが重なり合って、時代によっては国が道教を採用する時代もありました。しかし、法家や儒教、仏教と違って、道教を採用した治世は長続きしません。なんせ無為自然、現世利益、また死後の世界についての脅しもなかったことから拘束力が弱いのです。なぜ採用するかと言ったら、分かりやすいため頭の悪い人民をまとめるのに都合が良いからです。中世のゲルマン人に対するキリスト教・マリア様と同じだと言えます。

中国人の心の中に流れているのは道教だとも聞いたことがあります。私は子供の頃TVでキョンシー(霊幻道士)を見ていたので馴染み深いです。

そんな道教と今の日本の慣習との関連について下記のように書いてありました。

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太極拳…陰陽五行説が思想としてある

七五三…道教の天地三歳論から。生まれて1歳は天の神、2歳は地の神、3歳で人の子になる。5歳で五行論の五元素を全て貰うのでお祝い。太陽と月が加わった7歳で一人前になる。7歳までで死んでしまった時の慰めだったんでしょうか。11月15日なのは、徳川綱吉が長男を祝ったことからとか。

神社のお守りやお札…まさに

還暦…

桃の節句…奇数は縁起が良い(陽)が、奇数が重なると強い「陰」となり縁起が悪い。そんな3月3日を祝い、身を清め、邪気を祓い、宴会を行った。。こう言った日は一年のうち5節句あり、季節の旬のものを食べる。

端午の節句…同上。

なお、五節句の食べ物 1/7…七草の節句、3/3…桃(!?)の節句、5/5…菖蒲の節句、7/7…笹竹の節句、9/9菊の節句(菊酒)

数が数えれば理解できる、なんとも分かりやすい、根拠の怪しい宗教だなと思います。私には脅しとも感じます…が、節目を祝うことで現代の弱い繋がりの親族が繋がったり、死ななくなった当たり前の3歳を感慨深く感じたり、やはりドレスなんかより民族衣装が似合うため可愛かったり、大切な思い出になるなと思います。